自治体の乳幼児医療費助成手続きについて

子どもがいる家庭の引っ越しでは学校や子ども手当など、子ども関連の手続きがとても多く、忘れてしまうと本来受けられるはずだったサービスが受けられなくなってしまうこともあります。今回はその中でも、子どもの医療費の負担が軽くなる、乳幼児医療費助成について紹介します。

基本的な手続き方法や、保険証が間に合わなかった時の手続き方法などについてもまとめました。

役所での手続き

乳幼児医療費助成を受けるためには、自分の住民票がある各市町村の役所での乳幼児医療証の手続きが必要です。子どもは思いもよらない怪我をしたり、大人ならかからないような病気に突然かかったりします。引っ越しをしたら、児童手当と併せて、忘れずに手続きをしておきましょう。

手続きには、子どもの健康保険証と乳幼児医療証交付申請書が必要です。ただし、後者は役所の該当窓口でもらえるので特別に用意していく必要はありません。家で書類の必要事項を記入してから役所に行きたい場合は、役所のサイトでダウンロードできる場合もあります。

該当窓口は、保険年金課や、支所の福祉課など、市町村によって異なるので、分からなければ総合案内の人に尋ねてみましょう。

要確認!地域で違う乳幼児医療費助成!

乳幼児医療費助成制度は、各市町村によって内容が異なります。乳幼児医療証という名前で証書を発行しているところもあれば、こども医療証としているところもあります。知らないといざ使う時に困ることもあるので、申請と併せて細かい条件の確認をしておくと安心です。

ひとり親家庭(父子家庭・母子家庭)の場合はひとり親家庭等医療費助成制度などの適応がされますので、そちらの手続きを行います。

助成の受け取り方が違う!

一番に確認しておきたいのは、助成の受け取り方です。窓口で乳幼児医療証を提示して、実費負担分だけを払えばいい地域もありますが、その場ではいったん3割負担分の全額の支払いが求められる地域もあります。

今までいったん窓口で支払いを求められるのが普通の地域に住んでいたならまだ良いのですが、窓口負担が0で医療が受けられる地域に住んでいた場合は注意が必要です。確認を怠ったまま引っ越し先で病院にかかり、支払いを求められた時に手持ちのお金がなくて困ることがないようにしてください。

助成の金額が違う!

助成される金額や対象も各市町村によって異なります。実費負担0もあれば1回500円のところもあります。適応される年齢も違うので、住む地域の役所で確認をとっておきましょう。

転職…保険証がこない!

子どもの保険証が、国民健康保険ではなく、親の扶養に入っていて社会保険だった場合は、転職などの兼ね合いで保険証が手元にない場合があります。そんな時は、カードよりも素早く発行してもらえる資格者証で対応するか、いったんの全額実費支払いで受診するより仕方ありません。

資格証明書で…

転職に伴う引っ越しの場合、保険の加入自体は滞りなく手続きを踏むことができていたとしても、手元に保険証が届くまでにひと月程かかってしまうことも少なくありません。

そのような場合は、もちろん手続きができませんから、病気にかかってしまうと実費での受診になってしまいます。1回位なら高額な医療費の建て替えができても、通院が必要な怪我や病気にかかってしまうと大変です。特に子どもは思いもよらない怪我をすることが十分に考えられます。

ですから、保険証がまだ来ないからとあきらめるのではなく、保険証の代わりとなるものを発行してもらう手続きをとりましょう。前の会社の保険証が残っていても、失効している保険証は決して使ってはいけません。その場では支払わずに済んでも、年度末調整の時に不正受給分をまとめて請求されます。

保険証の代わりとして使えるのは資格証明書と呼ばれるもので、働いている会社の該当窓口に申請をすることで自宅に送付してもらえます。この書類があれば乳幼児医療証の手続きもできますが、有効期間が15日間しかないので注意が必要です。

実費で払ったら…

保険証や乳幼児医療証の発行が間に合わず、実費での負担をした場合、後日窓口で申請することで、本来の自己負担分以外のお金が返ってきます。また、同月内に申請した場合と、月をまたいだ場合で申請方法や窓口が異なりますので、申請する前にどちらに該当するかを確認しましょう。

同月内の返金申請

医療機関にかかった日と同月内に書類がそろい、申請に行くことができる場合は、受診した医療機関の会計窓口で即日返金してもらえます。

やり方は簡単で、実費負担をした時に渡された領収書と、保険証、乳幼児医療証の三つをまとめて窓口に提示し、「保険証ができたので、返金手続きをお願いします。」というだけです。また、乳幼児医療証の発行だけが間に合わず、本来助成で賄った分だけを支払った場合も、同じ方法で返金が可能です。

月をまたいでからの返金申請

月をまたいでから返金申請する場合は、医療機関ではなく、協会けんぽ、または各社会保険組合と、役所の2か所への申請が必要です。社会保険で賄われるはずだった7割分は協会けんぽ、または各社会保険組合の管轄、乳幼児医療費助成で賄われるはずだった残りは役所の管轄です。

返金申請をかけてから指定した口座に返金されるまで、1週間〜3ヶ月ほどかかるので、手元に保険証が届いたらなるべく早く手続きを行い、同月内の返金申請を目指しましょう。

まとめ

子どもの怪我や病気は突然にやってきます。引っ越し前後でお金も体力も減ってしまっている時に本来なら払わなくて済む医療費の自己負担は、家庭にかなりの打撃を与えます。そんなことにならないように、用意できる書類は早めにそろえ、忘れずに手続きを完了させるようにしましょう。