ふるさと納税後の引っ越しで返礼品を受け取るための手続き

自分が応援したい自治体に寄付をすることで所得税や住民税の控除が受けられるふるさと納税制度は、税金の還付や控除だけでなく、寄付のお礼として贈られる返礼品も魅力ですよね。

寄付金を何に使ってほしいか選ぶこともでき、しかも各地の特産品が受け取れるとあって、行政や税金に興味がなかった人でもわかりやすく社会貢献ができると評判です。ただし、引っ越しをすると届け出が必要になるため注意が必要です。

納税後に住所変更する場合

ふるさと納税を行うと、自治体により地域の特産物や名産品などをお礼として贈られることがあります。寄付をしたときに届け出た住所に1か月から数か月先に郵送されることが多いですが、海産物や果物や野菜などは旬の季節の新鮮なときに送られるため、納税のタイミングによっては1年近く先になることもあります。

その間に転勤などで引っ越しを行う人もいるでしょう。引っ越し後に届いたとしても宛先不明で送り主に返送されてしまいます。そんなことにならないためにも、事前に届け出ておく必要があります。

必要な手続き

新住所が正式に決まった時点でふるさと納税を行ったすべての自治体に住所変更の連絡をしましょう。

確定申告が不要になるワンストップ特例を申請している場合は、「寄付金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」の用紙に、必要事項を記入の上、翌年の1月10日までに納税先の自治体すべてへ郵送します。

最新の様式を各自治体のホームページや、ふるさと納税特設サイト、ふるさと納税ポータルサイトなどからダウンロードして印刷して使用することができます。

返礼品の受取について

返礼品は、自治体によりかなり考え方に違いがあり、市の特産品をPRするのが目的のためその自治体に住民登録のある人が寄付金を納めても返礼品は贈らないとしている自治体や、特に記念品などは贈らないとしている自治体、品物を選べる自治体、指定はできない自治体、そのときになってみないと何とも言えない自治体など、実に千差万別です。

返礼品を送っている自治体へは、住所変更の届け出を電話で行っておくと良いでしょう。返礼品の発送がかなり先であっても、タイミングによっては「それでは引っ越し前に届くように手配をします」と融通をきかせてくれる自治体もあるからです。

自治体からではなく、提携する企業から直接送って貰う場合などは、自治体に住所変更の「寄付金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」を送っただけでは連絡が不行き届きになるケースも想定されます。

催促するようで気が引けるという人もいるとは思いますが、手違いで生鮮食品などが差出人に戻されたり再送や不在配達票などで手元に届くまでに時間がかかると、せっかくの品物が傷んでしまいます。念のため、自治体に電話をして転居する旨を連絡した方が確実かと思います。受付担当者の名前を聞いておくことにより、責任持って対応してくれるでしょう。

郵便局や宅配便の転送サービスの手続き

自治体へは引っ越しの連絡を漏れなくすませても、二重三重に保険をかける意味で、配達をしてくれるかもしれない郵便局と宅配会社にも、転居の届け出をしておくと安心です。

郵便局の「転居・転送サービス」

引っ越してからも、旧住所あての郵便物やゆうパックで届けられる小包などを、引っ越し先の新住所に無料で転送してくれるサービスです。届出日から1年間にわたり転送してもらえますが、再度申し込むことにより期間の延長もできます。大切な郵便物を宛先不明で返送されないために、引っ越しをするなら必ず届けておきたいサービスです。

郵便局に備えてある「転居・転送サービス」の届出用紙に必要事項を記入して提出するか、記入後郵便ポストに切手を貼らずに投函するか、もしくは、インターネットで届け出ることもできます。窓口での手続きには、窓口に来た人の身分証明書が必要です。郵送やインターネットによる手続きでは、郵便局員による転居の事実確認のための訪問があります。

宅配会社の「転居転送サービス」

クロネコヤマトの宅急便では、「宅急便転居転送サービス」を行っています。郵便局同様、旧住所宛に送られた荷物を、日本国内に限り無料で転送してもらえるものです。申し込み後1年間、または再度申し込むことによりそれ以上転送してもらえます。電話による申し込みは受け付けていません。サービス申込用紙はヤマト運輸の直営店で入手できます。

転居の事実確認のため、また、不正ななりすまし防止のために、上で説明した郵便局の「転居・転送サービス」を先に届け出て受理されていなければなりません。ヤマトから、手続きのための「転居転送サービス本申込書」を旧住所に往復はがきで送られます。

正しく郵便局の手続きを行っていれば、新住所へ転送され届けられます。その手順を踏んだあとで、正式に申し込み手続きができる仕組みになっています。届いた往復はがきの返信はがきに署名と押印をして郵便ポストに投函します。あて先のヤマト運輸に到着し受理された後にサービス開始になります。

間違いなく、転居転送サービスが受理されたことの証明として、後日「サービス開始のご案内」が届けられます。手元に大切に保管しておいてください。もし、2週間以上経過しても届かない場合は、管轄の地区のヤマト運輸の営業所に問い合わせてください。

また、クロネコメンバーズに会員登録し、ログイン後の画面から「宅急便転居転送サービス」を申し込むこともできます。ただし、あくまでも仮申し込みとなり、旧住所から新住所へ間違いなく転居したことの確認方法は、上記の書面による手続きと同じになります。

まとめ

引っ越しによる住所変更が必要な場面は、昔よりもはるかに多岐にわたっています。インターネット上でさまざまな会員登録を行っていると、その手続きにも相当の時間を要するでしょう。

優先順位を決め、漏れのないように一つ一つこなしていきましょう。何がまだで、何をすませたか、完了した日などを記録しておいてあとからでも確認できるように、リストで残しておくと良いでしょう。

確実に届くことがわかっている返礼品なら、納税先の自治体に早めに住所変更を届け出ておくのが安全です。