引っ越した場合の住民税の支払いはどうすればいい?

引っ越しは引っ越し業者とのやりとりだけではなく、役所への手続きや、子どもがいれば転校の手続きなど、とにかくやらなければいけないことがたくさんあります。特に税金関係は、支払いが滞ると日数に応じた延滞金がかかってしまうことも。

市町村外へ引っ越しをしたら、住民税はどこの自治体にどのように支払ったらよいのでしょうか?

引っ越したら住民税はどこに納めるの?

引っ越しをしたらまず役所への届け出が必要なため、住民票を移すと、新しい自治体ですぐに住民税がかかるものと思われがちです。しかし、実際はそうではありません。それは、住民税がどのように計算され、どのように税額が決定するかの仕組みを知れば納得がいきます。

前に住んでいた自治体に納める

市町村外に引っ越したからといって、すぐにその自治体の住民税が発生することにはなりません。引き続き、前に住んでいた自治体へ納める形になります。引っ越し先の自治体からも住民税の請求がきて、二重払いになるようなこともありません。

個人事業主などで会社勤めをせず、自分で住民税の支払いをしている人は特に、前の住所地の役所から送られた住民税の納付書を、捨ててしまわないように注意しましょう。

期限が過ぎても支払いがされなければ、どんどんと延滞料金が加算されてしまいます。また、住民税に関しては、自分で役所に申し出て、手続きを進める必要はありません。

住民税はこんな仕組みで算出される

住民税は、都道府県民税と市町村民税を一緒に納めるものです。その税額は、所得に応じ個人で異なってきます。減税を実施している名古屋市や、財政再建のため増税をしている夕張市など、ごく一部の市町村を除き、税率は全国一律です。

1月1日から12月31日までのその年に所得のあった分に対して、様々な名目の控除額を差し引いた後に課税されることになります。この課税対象額をもとに算出された住民税額を、翌年の6月から1年間のうちに納めます。

会社員なら、特別徴収として毎月の給与から天引きされているので、特に手続きの必要はありません。個人事業主や会社を退職している人は、普通徴収として自分で年4回払いか一括払いで納めます。

退職した場合は自分で納付する

会社に勤めていた人が退職をして引っ越した場合は、会社から住んでいた自治体宛に退職日や住民税の残金が報告されます。以前住んでいた自治体から引っ越し先の自宅へ納付書が郵送されてくるので、自分で一括払いか年4回払いかを選ぶことができます。

もしくは、会社に住民税の残金を一括して預けておくことにより、引き続き会社から自治体へ支払ってもらうという特例もあります。前払いして預けるのか、後から分割で支払うのか、その時の状況に応じて決めましょう。

退職してもすぐ次の就職先が決まっている場合は、新しい会社に任せておけば大丈夫です。引っ越し前に住んでいた自治体と連絡を取り、毎月の給与から住民税の残額に応じた均等割で納めることになります。

支払い先の自治体が変更になるタイミングは?

それでは、新しく住むことになった自治体への住民税は、いつからかかり、いつから納付することになるのでしょうか?

引っ越し後に新年を迎えた時

年度の途中で引っ越しをしたとしても、住民税は1月1日に住民登録のあった自治体へ支払うことになります。仮に1月2日に他の市町村へ引っ越した場合は、前年の12月31日までに所得のあった分に対しての住民税は、前の住所地の自治体に納めることになります。

会社員なら特に自分で手続きすることはない

引っ越しをしても会社が変わらなければ、住民税に関して新旧の自治体に自分で納付する必要はありません。引っ越しをして住所が変わった旨を会社に届け出れば、納めるべき自治体への連絡と手続きをしてくれます。

まとめ

住民税に関しては、特に自分で手続きをするものはありません。引っ越し前の自治体の役所に転出届を、そして引っ越してから14日以内に新居の自治体の役所に転入届を提出していれば、問題ありません。

会社を退職して無職になった場合は、忘れた頃に以前の自治体から納付書が届きます。それまでは月々会社で差し引かれていたために、あまり税額を気にしていなかったかもしれません。

しかし退職して無収入になると、年4分割払いとなるため、1回ごとの金額が高額になって驚いてしまうでしょう。それに加え、国民年金や国民健康保険などの支払いもあります。くれぐれも滞納することのないよう、計画を立てておきましょう。