引っ越しで住所変更した場合の確定申告の提出先は?

引っ越しをすると引っ越し作業とともに様々な手続きなども必要になります。引っ越し前に手続きを済ませておくことと引っ越し後に速やかに行うべき手続きなどもきちんと押さえておきましょう。

必要な人は毎年2月に確定申告もありますよね。ここでは引っ越し後の確定申告についてお話しします。

確定申告とは?

毎年春頃にテレビのニュースやCMで確定申告という言葉を目にしますが、そもそも確定申告とはどういったものなのでしょうか?会社員は基本的に確定申告の必要がないので、よくわからない、という方もいるかもしれません。

確定申告が必要な人とは

確定申告は、1年間の所得金額から計算して出た税金を納付する制度です。

会社員は給与やボーナスから源泉徴収がされていて、年末調整されているので確定申告は必要ありませんが、個人事業主や不動産賃貸を営む人は収入や費用を申告しなければいけません。海外に移住する場合も原則として確定申告が必要になります

税金が戻る場合もある

年末調整の前に退職をして、その年の年末調整を受けていなかったり、所得が少ないが税金が源泉徴収されている場合には還付申告というかたちで確定申告をすることができます。本来収めるべき税金よりも多く差し引かれていた場合には税金分が戻ってきます。

確定申告の方法

確定申告にはいくつかのやり方があります。ストレスなく行うためにも自分に合った方法でするようにしましょう。

  1. 国税庁のウェブサイトにあるフォーマットで自宅のパソコンで作成する
  2. 税務署や還付申告センターのパソコンで作成する
  3. 確定申告用紙を税務署や還付申告センターでもらい、手書きする
  4. e-Taxという国税電子申告、納税システムによりインターネット経由で申告する(海外移住者が海外からこれを利用することはできません)

引っ越しした年の確定申告の提出先

確定申告は提出時の住所を管轄する税務署に提出します。従って1年の途中で引っ越しをした場合は引っ越し後の住所を管轄している税務署に確定申告をします。引っ越しをした際にはどのような手続きが必要かみていきましょう。

「納税地の異動に関する届出書」

これは引っ越し前に管轄していた税務署と引っ越し後の管轄税務署の両方に提出する必要があります。引っ越しが済んだらなるべく早めに手続きをしましょう。提出期限について規定はありませんが、納税地の異動があった場合は遅延なく提出すること、と定められています。

また、届出書は持参しても郵送でもかまいません。この書類は国税庁のホームページからダウンロードすることができます。

確定申告書の提出について

確定申告は毎年2月16日から3月15日にその時点で住所のある地域の税務署に提出します。では、この時期に引っ越しをした場合はどちらの税務署に行けばいいのでしょうか?

答えは新住所を管轄する税務署です。上述の納税地の異動に関する届出書も必ず提出しましょう。仮に源泉徴収票の住所記載が以前のものであったり、住民票の異動がまだでもかまいません。

海外移住前の確定申告について

海外に移住する場合は源泉徴収をしていた場合、前年度の所得によって納税額が決まっているため、給与やボーナスから税金を多く払いすぎている可能性もあります。移住前に所定の手続きを済ませてから引っ越しをしましょう。

日本国内の会社に勤めていて、1年以上の海外転勤などに出た場合、所得税法上の非居住者となります。非居住者が日本国内で不動産所得など一定の所得があった場合は確定申告の必要があります。

確定申告は誰が行く?

移住していて確定申告の時期に日本にいない場合には2通りの方法があります。ひとつは、出国するまでに納税管理人をたてて、規定の確定申告の時期に申告をしてもらう方法です。納税管理人とは、確定申告書の提出や税金を実際に納付することを移住している本人に代わって行う人です。

親族などに頼めなければ、会社や税理士に依頼してもかまいません。もうひとつは、納税管理人を選定せずに、出国までに当年度の確定申告書を提出する方法です。

納税管理人と納税地

納税管理人の届出書を提出し、受理されると税務署からの書類は納税管理人に送付されますが、納税管理人の管轄税務署で確定申告できるわけではありません。海外に移住をした場合は国内に住所がなくなるので、納税管理人は以下の優先順序の所轄税務署で確定申告を行います。

  1. その事業を行う事務所の所在地
  2. 以前に納税地とされていた住所に親族等が引き継いで住んでいる場合にはその場所
  3. 上記以外で国内の不動産収入を受ける場合はその不動産の所在地
  4. 上記が当てはまらなくなった場合は出国以前に本人が住んでいた住所
  5. 上記以外の場合、本人が選んだ住所
  6. 上記のいずれにも該当しないなら麹町税務署の管轄区域内

海外勤務時の所得について

非居住者が、日本国内での源泉所得があればそれのみが課税対象となり、海外勤務で支給された給与に対して課税はされません。しかし、帰国後は居住者になるのですべての所得が課税対象となります。

まとめ

引っ越し先が国内か海外かによって確定申告書の提出先は異なります。国内の引っ越しの場合は新住所で毎年定められている2月16日から3月15日までに所轄の税務署で手続きを行いましょう。

海外に移住する場合は納税管理人をたて、出国者が納税をする場所の管轄税務署で代理で確定申告をしてもらうか、自分で当年度の確定申告書を提出してから出国するかになります。