家賃相場が安い地域の特徴と注意点

賃貸物件を探していると、他の地域と比べて家賃の相場が安い地域を見つけた経験はありませんか?その安さにひかれながらも、何か理由があるのではと心配になる人も多いかもしれません。

では、家賃相場が安い地域にはどのような特徴があり、どのような点に注意すればよいのか見ていきましょう。

家賃相場が安い地域とは、どんなところ?

まず、相場に比べて家賃が安くなる理由には、どんなことがあるでしょうか?家賃を下げることでしか借り手を確保できなかったり、そうせざるを得ない理由があったりするなど、それぞれに様々な事情が考えられます。

他の競合する物件と比べて、家賃の安さにしか魅力がない物件ともいえます。

一般的に家賃は、およその築年数ごとに周辺物件の平米数の相場単価にその物件の広さを掛けて算出します。さらに物件や地域ごとの個別要因で調整し、最終的な金額を決定します。

例えば、ある地域の中で特定の物件だけ家賃が安い場合は、その物件にだけ何かマイナス要因があることが考えられます。一方で、地域全体で家賃相場が安い場合は、その地域に何らかのマイナス要因があるため、ということになります。具体的には、次のような要因や特徴が挙げられます。

自然災害が起こったときにリスクがある

地盤が緩い、海抜が低い、川や海・がけの近く、道路が狭いなどの立地が該当します。日本で生活するうえでは、地震や台風など、いつどのような災害が起きるかわかりません。そのため、災害時にさらにリスクが高くなってしまうような地域は、避ける人が多いです。

交通が不便

駅やバス停が遠いなど、移動に時間がかかることもマイナス要因の一つです。毎日、決まった時間に通勤・通学をしなければならない人にとっては、一便逃したら次の便までかなりの時間を費やす可能性があり、死活問題ともいえます。

治安が悪い

毎日のように凶悪事件が報道されていることもあり、人々の防犯意識は高まってきています。事件に巻き込まれないために、治安が悪いとされている地域も敬遠される傾向にあります。

騒音問題がある

日常的に騒音が生じる地域も、避けられることが多いといえます。例えば、商業施設など昼間限定で騒がしい地域よりも、線路や幹線道路など昼夜を問わず騒音がしたり、繁華街など主に夜間に人が集まったりする地域の方が、避けられがちです。

ニオイなど環境や人体への懸念

例えば、工場群の近くの地域などは、ニオイや粉じん、化学物質などの影響を気にする人からは敬遠されます。大型トラックや作業車が頻繁に行きかうような工場地帯を思い浮かべると、イメージしやすいかもしれません。こうした工業専用地域と隣接している地域は、周辺の地域と比べて、家賃相場が安いことが多いといえるでしょう。

相場が安い地域に住む場合の注意点

自然災害のリスクや治安の悪さ、ニオイなどの環境は、老若男女問わずマイナス要因になります。しかし、例えば交通の便が悪いエリアは、裏を返すと自然が豊かな地域であるといえます。

そのため、子どもがいるファミリー層には、マイナス要因よりプラスの意味合いの方が大きく、あえてそのような地域を選択することもあるでしょう。ただし一般的には、家賃相場が安い地域は、学生が住んでいることが多いです。そのため、いくつかの注意が必要です。

学生が増えていく

仕送りや奨学金などで生活をしている学生は、極力、家賃を抑える傾向にあります。また、自宅で過ごす時間が少ないこともあり、家賃に費やすお金を趣味や遊び、勉強にあてたいと考える学生も多いでしょう。

そのため不動産会社も、相場の安い地域の物件を学生に紹介する傾向があります。友人や知人が住んでいるからという理由で、新たに学生が引っ越してくるなどして、どんどん増えていく可能性もあります。

学生が増えるということは、ファミリー層に適した物件は少ないといえます。部屋が見つからない可能性が高いことを理解しておきましょう。

生活パターンが異なると、トラブルも…

学生とファミリー層では生活パターンが全く異なることが多いため、学生が多い街は、ファミリー層にとって住みづらい環境といえます。子どもがいる場合、昼間に活動して、午後8時前後には寝るという生活リズムを送る家庭が多いでしょう。

一方、一人暮らしの学生は、アルバイトや課題、そして遊びなどで深夜や早朝まで起き、昼間に眠るという真逆の時間帯に活動する人も少なくありません。それなので、ファミリー層と学生との間で、騒音などのトラブルが生じてしまう可能性も考えられます。

家賃相場が安い地域に住むことを検討する場合は、どのような住民層が多いか不動産会社などに事前に聞き、自分の生活時間パターンと合うか、また、合わないとしても許容できる範囲かどうか、じっくり考えるようにしてください。

家賃相場が安い地域は、それ故に様々な懸念があります。安い理由を納得し、妥協できるのであれば問題ないですが、毎日その状況に耐えられるかという点もしっかり検討したうえで選ぶことをおすすめします。