引っ越し時の意外な注意点!IKEAの家具は運ぶのが難しい?

おしゃれなデザインでさまざまな家具を取り揃えているIKEA。安価でヨーロッパの雰囲気を取り入れられたり、自分で組み立てをする楽しさがあったりと、ファミリー層からも人気があります。

そんなIKEAの家具ですが、引っ越しの時に運搬拒否や分解組み立ての拒否をされるなどのケースがあります。その理由はどんなものなのでしょうか。

運ぶのが難しいといわれる理由

IKEAの家具が引っ越し業者に敬遠される理由は、その作りにあります。コンパクトな包装で手軽に家に持って帰ることができて、自分で組み立てもできるというメリットが、いざ引っ越しをするとなるとデメリットに変わってしまいます。

ねじ穴が弱い

IKEAの家具の多くは、ねじ穴の補強がなく、木材がむき出しになっています。組み立てた後に使っているだけなら大した問題にはなりません。しかし、引っ越しをするからと分解した時に、ねじを緩める過程で受け穴が破損してしまい、組み立て不可になる場合があります。

パーツが多い

日本製は分解してもある程度の塊ごとに分かれる程度ですが、IKEAの家具は細かいパーツに分かれています。

たとえば、あばら(スノコ)一つをとっても、板の一本一本をねじで木枠にとめているため、破損、紛失、組み立て不可のリスクが跳ね上り、破損させたら補償をしなければならない引っ越し業者はIKEAの家具を敬遠します。

このように、分解した後に元に戻すのが難しいうえ、作業をしなければならない部分が非常に多い傾向があるIKEAの家具は、多大な時間がかかり、作業時間を圧迫します。通常料金でこれを引き受けると人件費で赤字が出てしまうことも、引っ越し業者が二の足を踏む原因の一つです。

ねじの種類が特殊

日本の一般的なねじの規格では作られていないIKEAの家具は、業者が持ってくる工具で対応できない可能性があります。

引っ越し作業を開始してからこれに気付くと、工具の確保が大変だったり、後に控えている引っ越しのスケジュール調整が必要になってきたりするので、ここもIKEAの家具の運搬が難しいといわれる所以です。

接着剤を使っている

IKEAの家具の組み立ての時に、接着剤を使っていて分解自体が不可能なことがあります。はがす時に本体がひび割れたり、ねじ穴が詰まっていたりすると元に戻すのはほぼ無理なので、大変な思いをして持っていくよりは、新しいものに買い替えた方がよいものもあります。

どうしてこんな作りになっているの?

ここまで読んだら、そんなにだめそうなところばかりなら、どうしてこんな作りにしたんだろうと疑問がわいてくるかもしれませんが、これにもまた、理由があります。そもそもIKEAの家具は、引っ越しの時に持っていくことを想定していません。

IKEAはスウェーデンの企業ですが、そちらの方では、引っ越しの時に家具を持っていくことがあまり一般的ではありません。そのため、分解や再組み立てに対応する必要がないことが、引っ越しにおいて不利になるような作りになっている原因です。

こんなものなら大丈夫?運んでもらえる可能性があるもの

ベッドならシングル、椅子なら一人用など、シンプルな作りで大きすぎないものであれば、分解しないで済むか、大きなものよりも少ない手間で分解できるので、運んでもらえる可能性があります。

また、上の運ぶのが難しいといわれる理由にあてはまらないものなら、相談次第で持っていってもらえるかもしれません。あくまで引越業者が判断することなので、訪問見積もり時に尋ねてみるしかありませんが、おおよその目安にはなります。

どうしても持っていきたい!そんな時は

引っ越し業者に対応できませんと言われても、思い入れのある家具だと「はいそうですか」と簡単にあきらめられない場合もあります。そんな時は万一破損などがあった時の保証をあきらめることで運んでもらえるかもしれません。

保証なしでいいのならお受けしますよ、ということですね。後々もめないようにするためにも、見積もり時に、保証してもらえるのかどうか確認をしておくのがよいでしょう。それでもどうしても運べないものもあるので、ある程度のところで見切りはつけましょう。

IKEA家具がある引っ越しの注意点

IKEAの家具はおしゃれで安価で、雰囲気のいい部屋作りには欠かせないという人も多い製品です。しかし、説明してきた通り、少し癖があることも確か。引っ越しで持っていきたい時に気を付けたいことを覚えておきましょう。

追加料金がかかるかも?

ベッド1点につき7,000円の追加料金がかかったり、分解組み立ては自分でやらなければならなかったりする場合があります。

また、引っ越し当日にIKEAの家具であると発覚した場合、1万円の追加料金を請求されたなどといったこともあるようですが、4人がかりで作業しても分解組み立てで4時間以上かかった例もあるため、それでも高すぎる料金ではありません。

このような事態になったら自分たちも引っ越し業者も困ってしまいます。見積もりの時に営業が何も言わなかったから大丈夫、と自己判断せず、自己申告しておいた方がよいでしょう。

そんな説明は一つもされていなかったのに、当日になっていきなり追加費用が発生して引っ越し業者ともめたという話もあります。

組み立て式のIKEAの家具は、おしゃれなものが多く、雰囲気のいい部屋作りにはぜひ使用したい製品ですが、引っ越し時の取り扱いには注意しましょう。生活に彩りを与えてくれるはずの家具で嫌な思いをしないためにも、IKEAの家具のいいところと悪いところを理解しておくことが大切です。