ピアノの引っ越し料金相場と処分(破棄)する際の費用相場

ピアノは子どもに習わせたいお稽古ごとランキングの上位に入る人気のある楽器です。中学や高校で勉強や部活動に多忙になると遠ざかることも多いのですが、趣味としてずっと続けたり、大人になってからまたレッスンに通い始めるケースもあります。

引っ越しを機に、遠慮なくピアノが弾ける環境になることで、また習ってみようかという人もいるでしょう。そんなピアノの引っ越しについて、さまざまなケースを紹介します。

ピアノの引っ越しについて

ピアノは縦の箱型のアップライトピアノと、三本足のグランドピアノがあります。これらは両方とも生のピアノですが、その他に電子ピアノがあります。電子ピアノは鍵盤とその下で分割でき、比較的安価で軽量のものが多いため家財と一緒のトラックに積み込んで運ぶことがほとんどです。

しかし、高価な生のピアノは、人力で運ぶにしてもクレーンを使うにしても、ピアノのことを熟知しているピアノ運送専門の業者に任せて運んでもらうことをおすすめします。引っ越し業者の中には、ピアノの運送業者と提携している場合があります。

料金相場

ピアノの運送料金は、移動距離、ピアノの種類、型番、全長、階段作業の有無、建物の養生、分解組み立ての要不要、クレーン利用などさまざまな要素で計算されます。車両停車位置から玄関先までの距離、台車が使えるのか、作業員は何人必要かなどによっても料金に影響があるかもしれません。

ピアノの新規購入では楽器店で運搬料を安くしてくれることもあり、いざ引っ越しとなるとピアノ一台の運送料がこんなにかかるのかと驚くことがあります。購入した際や以前の引っ越しではどのように設置したでしょうか。クレーンを使って設置したなら、搬出する際も同じようにクレーンを使うことになるでしょう。ピアノ運送の料金の例と、特殊作業にかかる料金の例を紹介しますので、参考程度に見てください。

アップライトの運送料金の例

運送距離 料金例
10km 18,000円
30km 22,000円
50km 25,000円
100km 35,000円

グランドピアノの運送料金の例

運送距離 料金例
10km 30,000円
30km 40,000円
50km 50,000円
100km 65,000円

特殊作業の料金の例

ピアノの種類よりも、手運びの場合、重量や長さ、階段幅や踊り場の奥行きなど、運搬のしやすさが料金を決めます。エレベーターがあっても、ピアノが載せられないような小型のものでは階段を利用するか、クレーンで吊り上げることになるでしょう。

グランドピアノを運ぶときは、必ず三本の足を外して本体を縦にして運びます。全長の短いグランドピアノは箱型のアップライトよりもコンパクトに運ぶことができます。三本の足を外すことは、分解作業には当たりません。

間口が狭い場合など、そのままでは運べない場合に、アップライトピアノの鍵盤を外して奥行きを短くしてから入れる場合があり、そのようなピアノの技術者が専門的な作業を行う場合を想定しています。

  • 階段作業:1階ごとに5,000円前後〜
  • クレーン作業:小型クレーンで10,000円前後〜
  • 分解・組立:20,000円前後〜、別に調律師などの専門家を派遣して貰う場合は出張費がかかることがあります。

調律が必要になる

ピアノには、高い張力を保った硬い弦が張り巡らされています。弾いても弾かなくても湿度や温度によって徐々に音は狂ってきます。良い木材を使ったピアノやメンテナンスをきちんとしてあるものは音が狂いにくいですが、ピアノを移動したときには音が狂ってしまうことがあります。

引っ越しを控えているなら、定期の調律を引っ越し後にしてもらった方が良いでしょう。
全体的に大きく音が狂ってしまうと、通常の調律費用よりも割増になることがあります。ピアノのためには、定期的に内部にサビが出ていないか、鍵盤にガタつきがないかなどを見てもらって、引っ越し先で音が美しく鳴るように自分好みに調整してもらいましょう。

ピアノを処分するケース

もう何年も誰も弾いていないピアノがあるなら、引っ越し先にわざわざ運送料をかけて運ぶのが惜しいと思うのではないでしょうか。元値が高かったから手放すのは惜しい、いつか気が向いて誰かが弾きたくなるかもしれない、と取っておく人も多いようです。

しかし、ピアノを置くからには、湿度が低くエアコンの風が直接当たらないような温度変化の少ない場所に設置しなければなりません。そんな我が家の特等席を、誰も弾かないピアノが占領するのはかえってもったいない気がします。いつか弾きたくなったときにまともな音が出なくてメンテナンスに高額の費用がかかってしまうことがあります。

それなら弾きたくなったときに新しい型番の中古のピアノを買ったほうが長い目で見ればお得かもしれません。また、その頃には、安価な性能の良い電子ピアノが登場しているかもしれません。現在不要なピアノは、いったん手放すことも検討してみましょう。

処分方法と費用相場

何世代にも渡って丁寧にメンテナンスをして使い込まれているピアノもありますが、手入れもせず放っておいたままではあちこち傷みが出てきます。ペダルや鍵盤蓋の金属部分にびっしりと緑青で覆われているものも見かけます。

ピアノを解体してきれいに生まれ変わらせる技術はありますが、多額の費用がかかります。状態の悪いピアノは調律をし直しても、音が狂いやすく、ピアノを習っている子どもには悪影響を及ぼすこともあります。思い切って処分して、引っ越し先で新しく買い直すことも選択肢に入るでしょう。

使っていないピアノなら状態の悪いままで保存しておくメリットは一つもありませんし、それを運送料を払ってまで引っ越し先まで運ぶ意味がありません。

ピアノは処理困難物なので、自治体の粗大ゴミでは回収してくれません。だからといって、個人で小さく解体して処分するのは危険すぎるので止めてください。中には、張力が100kgもの硬い弦が張り巡らされています。弦が切れたり固定しているピンが抜けた勢いでケガをしてしまうかもしれません。

そのままの状態では個人では動かせず、玄関から出すのも困難でしょう。車に乗せて処分場まで運ぶこともできませんので、業者に運んでもらわないといけません。ただし、街なかでスピーカーを流して回っているような廃品回収業者では扱ってくれないでしょう。購入時の楽器店に相談するか、ピアノ運送業者に処分を相談しましょう。

上記で紹介した運送料金と同額程度で引き取ってくれるところが多いと思います。しかし、ピアノの発売が新しく人気の品番のものでメンテナンス次第でまた使えるようになる程度なら、安く処分ができるかもしれませんよ。その理由は下記で説明します。

処分する前に査定にだしてみよう

廃品回収業者は、自分で不要なものを自分の家から運んで処分してくれる業者です。処分と言っても、即ゴミとして捨てるわけではありません。そのままで使えそうなものや、壊れたものでも修理したり内部の使える部品をリサイクルして収益を上げたりしています。古いピアノも中国をメインに海外で売るなどして収益を上げています。

国産のピアノや、状態の良いピアノの中古品は海外で人気です。高価なピアノをただゴミにするよりは、欲しい人に大切に使ってもらった方がうれしいですよね。ピアノの買取業者もたくさんあり、それぞれ独自にピアノのメーカーや年式、状態で査定しています。

新しいものは査定額も高値がつきますし、古いものでも良質の木材をふんだんに使った時期の丁寧な作りの国産ピアノは、腕の良い職人の手にかかれば新品同様に生まれ変わることもあり、高値で取引されます。査定額にもかなりの差が出ることもあるので、ぜひ数社に査定を依頼してみると良いでしょう。

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まとめ

ピアノの運送は、ぜひピアノを熟知している専門業者に任せてください。引っ越し先で、インシュレーターや防振マットが必要になったときなどもすぐに対応してくれます。地元の楽器店やピアノ教室の先生、調律師とも懇意にしている運送業者も多く、信頼して任せることができるでしょう。

ピアノは、その昔、お金持ちのステータスとして裕福な家庭の象徴とされていた時代があり、住宅街を歩くとピアノの音がよく聴こえてきたものです。しかし、近年では騒音問題のため賃貸の集合住宅では持ち込むことを禁止にしている物件は多いです。

分譲マンションでも、音を出して弾いてよいのは何時までと入居規約に使用を制限されるところもあります。引っ越し先によっては、泣く泣く手放さなければならない場合もあるでしょう。また、昔の名残で弾かなくてもピアノを飾っておきたい人もいると思います。

しかし、今後引っ越しのたびに運送料を払うことを思えば、なるべく早くに買い取ってもらった方が買取査定も高くなる上に、置いていたスペース分広く使えて、結局はお得になります。一度査定してもらうと意外な高値に手放す決心が付くかもしれませんよ。

※表示の料金例は、2017年9月23日現在のものです。