引っ越し先ではバイク通勤や通学を考えている人もいるでしょう。車がある人でも、趣味で休日にバイクで遠出をしたい人もいます。しかし、引っ越し先までバイクで移動できない場合は、業者に輸送してもらわなければなりません。
原付バイクは、他の市区町村に引っ越すなら廃車手続きをすることになります。バイク輸送の料金相場と、廃車など引っ越しにまつわる諸々の手続きについて紹介します。
バイクの引っ越しについて
バイクを輸送するには、専門の業者、引っ越し業者の有料オプションサービス、運送会社のバイク輸送サービスなどに頼むことになりますが、原付、小型、大型などの排気量別に移動距離で輸送料金を細かく設定しているところが多いです。
しかも、輸送方法もさまざまあり、一台だけで自宅に取りに来てくれて引っ越し先まで届けてくれるところ、バイクを何台も積める特別車両でまとめて運んでくれるところ、自分で営業所まで運んだり、取りに行ったり、届けてくれたり、と色々な方法で運びます。
原付バイクなら、引っ越しトラックの荷台に余裕があれば家財と一緒に載せてもらえる場合もあります。
料金相場
バイクの輸送を扱う業者の料金の一例を紹介します。それぞれ排気量の区分が異なることにご注意ください。それぞれの業者の、東京から大阪間と、その業者で扱う最長距離の料金の参考例です。
宅配会社A(料金はすべて税抜)
排気量 | 東京〜大阪 | 北海道〜沖縄 |
---|---|---|
100cc以下 | 39,100円 | 119,400円 |
101〜699cc | 46,800円 | 141,400円 |
700cc以上 | 141,400円 | 163,900円 |
バイク輸送業者B(料金はすべて税込)
排気量 | 東京〜大阪 | 青森〜鹿児島 |
---|---|---|
110cc以下 | 16,000円 | 48,000円 |
150cc〜645cc | 20,000円 | 52,000円 |
645cc〜1109cc | 38,000円 | 73,000円 |
バイク輸送業者C(料金はすべて税込)
排気量 | 東京〜大阪 | 北海道〜鹿児島 |
---|---|---|
125cc以下 | 14,000円 | 88,000円 |
126cc〜600cc | 17,000円 | 93,500円 |
601cc〜1300cc | 20,000円 | 104,000円 |
※表中の料金はすべて2017年9月23日現在のものです。
引っ越し業者の有料オプションサービスの場合は、引っ越し業者がバイク専用の輸送車両を持っていれば自社で運びますが、他の提携する輸送業者に依頼する場合もあり、料金設定もさまざまです。いくらかかるか尋ねて、他の輸送会社が安ければ単独で依頼することも検討しましょう。
新居に駐輪場が無い場合の対応方法
バイクを引っ越し先に持っていく場合、問題になるのが駐輪場の有無です。都内では駐車場や駐輪場を探すことが困難な地区もあります。安い駐輪場はあっという間に埋まり、運良く見つかったとしても相場より高い駐輪場に停めざるを得ないこともあり、維持費もかなり掛かることは覚悟しましょう。
地方に引っ越すなら、車かバイクが移動の足になることも多く、月極駐輪場などがなくても、その辺に無料で停められる場所はたくさんあることが多いです。車かバイクが必須の場所なら、たいてい賃貸物件には何台か停められるスペースがあります。
困るのは、通勤や通学でバイクを使いたいのに駐輪場がない場合です。できるだけ自宅から近い場所に借りたいものです。近くの駐輪場に空きがなければ、駐輪場を経営する会社に空きが出たら借りられるように予約で申し込んでおきましょう。
空きが出るまでの間は、車を停める駐車場にバイクを停めても構わないところで短期で借りるか、短期解約の違約金を承知で月極駐車場などを借りることでしょうか。もしくは、一日最大○○円などのコインパーキングを使う手もありますが、土日の料金設定が高くなっていたり、最大料金を設定していないこともあるため気をつけましょう。
もしくは、遠くはなれた場所に空きのある駐輪場があれば、そこまで自転車で往復することも考えなければなりません。
どうしても見つからなければ貸倉庫などに一時的に預けることも考えましょう。そうこうしている間にバイクに乗らなくても何とか移動できる、車だけあれば何とかなる、と思えば早いうちにバイクを手放した方が節約できます。
バイクを廃車にする場合
原付バイクのナンバープレートは自治体で発行されるものですから、市町村外に引っ越す際には、ナンバープレートを返却することになります。引っ越し先でも原付バイクに乗るつもりならナンバープレートを外した状態では公道を走れないため、新住所地で新ナンバーを取得するには、いったん廃車手続きをする必要があります。
原付バイク以外の126cc以上のバイクは、引っ越し先で乗るつもりなら、廃車手続きをする必要はなく、住所変更の届け出になります。
原付バイクの廃車手続き方法
原付バイクとは、正式には125ccまでの原動機付自転車のことをいいます。原付バイクにかかる軽自動車税はバイク置き場のある自治体で課税され、毎年前納制で納めるものです。引っ越し時には原付バイクのナンバープレートを外して持参して市町村の役所で手続きをします。
必要なもの
- ナンバープレート……ドライバーで車体から外した上で持参
- 標識交付証明書
- 所有者の印鑑、代理人が手続きする場合は代理人の印鑑も必要……シャチハタは不可としているところがあります。
手続き
役所の窓口か自治体のホームページからダウンロードした「軽自動車税廃車申告書件標識返納書」に必要事項を記入します。
代理人による手続きもできます。自治体によっては郵送による廃車手続きを受け付けているところもあります。また、引っ越し先で引き続き乗るなら、引っ越し先の役所で登録手続きをすると同時に廃車手続きをすることもできます。
役所から「廃車申告受付書」が発行されるので、引っ越し先の役所に登録手続きをする際に持参してください。手続き方法や窓口の受付時間についてさらに詳しく知りたい場合は、市町村の公式ホームページで確認してください。代理人が手続きをする場合など、持参するものが異なることがあります。
126ccから250ccまでの軽二輪車の廃車手続き方法
管轄の運輸支局または自動車検査登録事務所での手続きが必要です。それぞれのホームページで受付日や受付時間帯など確認の上、出かけましょう。
必要なもの
- 軽自動車届出済証返納届出書
- 軽自動車届出済証返納証明書交付請求書(申請書)……運輸支局または自動車検査登録事務所の近くの売店で販売しています。またホームページからOCRシート申請様式を印刷できます。
- 軽自動車届出済証(車検証)
- ナンバープレート
- 所有者の印鑑……所有者と使用者が異なる場合は、使用者の印鑑も必要
手続き
上記の軽自動車届出済証返納届出書・軽自動車届出済証返納証明書交付請求書(申請書)に必要事項を記入し、軽自動車届出済証(車検証)、ナンバープレートとともに窓口に提出します。発行された「軽自動車届出済証返納確認書」を受け取ります。
250cc以上のオートバイの廃車手続き方法
住所地を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で手続きをします。登録時にはバイク販売会社が代行で手続きをしてくれることが多いでしょう。インターネットで管轄地区を確認し、アクセスや受付時間、詳細については必ずホームページで確認してください。
必要なもの
- 申請書……運輸支局または自動車検査登録事務所の窓口や売店で購入します。もしくは、ホームページからOCRシート申請様式をダウンロードして記入してから持参しても良いでしょう。
- 手数料……自動車検査登録印紙350円
- 自動車検査証
- ナンバープレート
- 使用者の印鑑……シャチハタ以外
手続き
上記のものを持参し、窓口に提出します。排気量が大きくなるほど書類の作成に時間を要します。事前にダウンロードした用紙に記入してから行くと現地での時間が短縮できます。手続き方法や記入の仕方でわからないことがあれば、事前に電話で確認しておいた方が良いでしょう。
車検証を紛失した、ナンバープレートを盗まれた、などのときは紛失届が必要になります。それらの書類を合わせて作成するのが難しいと感じる場合や平日に時間が取れない場合は、行政書士事務所などに書類作成代行を依頼することも検討しましょう。
廃車にかかる費用
原付バイクを廃車する際の、役所での手続きの費用は無料です。それ以上のバイクの廃車手続きは、用紙代と証紙代を合わせても数百円から1,000円以内です。バイクの解体という意味の廃車なら、業者にスクラップしてもらうために10,000円前後かかります。
手続きに出かける際の注意点
4月1日に登録のあるバイクが課税対象となるため、引っ越しシーズンでもある3月中はどこも混雑します。自治体によってはその時期の土曜や日曜日や夜間に開庁しているところもあるので、窓口の受付時間を確認し、終了の30分前までには到着するようにしてください。
廃車する前に査定に出してみよう
どこをどう直してももう乗ることができない壊れたバイクならいざ知らず、今まで現役で走っていた愛車を、引っ越しするからといって即スクラップするのもどうかと思う人も多いでしょう。
そんなときは、バイクの買取業者に買い取ってもらって、新たな所有者に気に入って乗ってもらった方が良いのではないでしょうか。それなら少しでも買取価格が高いとうれしいですよね。インターネットのバイク無料一括査定サイトで、登録している複数の業者に無料で一括査定を依頼することができます。
一番高値を付けてくれた業者に依頼するもよし、近所の行きやすい業者に決定するもよし、そこはあなたの自由です。廃車手続きも買取業者が代行してくれるため、面倒な手続きは一切必要ありません。
バイクブロスでは、バイクの買取に関するさまざまな情報が載っています。買取強化バイク一覧、買取価格情報などもあるので、市場の相場がどの程度のものか参考に見ておくと良いでしょう。
まとめ
バイクの引っ越しは紹介したように、大きいほど、遠いほど、料金がかさみます。頼む業者によっても料金にバラつきがあります。どの業者にどんな方法で頼むか、かかる日数や補償面なども合わせてよく検討しましょう。
もうあまり乗る機会がなさそうなら、運送料を払ってわざわざ運ぶこともないと思います。住んでみてやはり必要だと感じたら、バイクを買い取ってもらってから引っ越し、その金額を元手にその土地で乗りやすそうなバイクを選ぶのも一つの方法です。