レンタカー(トラック)を借りて引っ越しする際の料金相場

荷物の少ない単身の引っ越しなら、引っ越し業者を使うことなく、レンタカーのトラックを借りて何とか自分で安く引っ越しができないだろうかと考える人もいるようです。

クレーンでの吊り上げが必要な家財もないし、引っ越し業者だって人力でやっているのだから、力自慢の友達にでも声かけて手伝ってもらえば引っ越し代が浮くはず、なんて思っている人は、ぜひ下記の記事を参考にしてください。

レンタカーで引っ越しするケース

レンタカー会社は一般的な乗用車だけでなく、トラックやバンやバスなどの幅広い車種を扱っています。料金表を見ると、3時間や6時間などの短時間ならリーズナブルに借りることができるので、自分で引っ越しをしたら安上がりかも、と感じると思います。どんな車種が引っ越しに向いているのでしょうか。

おすすめの車と料金相場

車種は排気量が少なく小さいものほどレンタル料は安くなります。自分の荷物がどの程度の車種に載せられるかを考えましょう。全体の荷物量はダンボール何個分になりそうか、一番大きい家具のサイズは、などを目安に想像してみましょう。引っ越し先が近所なら、無理やり一度に積み込もうとせず往復しても良いかもしれませんね。

軽トラック

よく見かける軽トラですが、荷物が少量ならこれ一台で十分です。サイズで紹介するよりも、荷物量で説明した方が分かりやすいでしょう。軽トラには小型の冷蔵庫、洗濯機、20インチ液晶テレビ、布団一組、電子レンジ、ダンボール普通サイズ10個程度が一度に載せられます。

かなり家財が少ない人向きですね。足りない家具を引っ越してから購入するか、造り付けの家具がある部屋なら大丈夫そうです。ベッドや机、テーブル、本棚やテレビ台などがあれば、往復して運ぶことになります。

軽トラックの基本料金の参考例
  6時間まで 12時間まで 24時間まで 超過料金
料 金 5,500円 5,500円 7,500円 1,000円/時

※料金は税抜き。乗車定員2名。

ハイエース・バン

上の軽トラで運べる荷物にデスクトップパソコンが一台増える程度の量なら、ハイエース・バンが利用できます。軽トラは2人しか乗れませんが、ハイエース・バンなら、前の座席には3名乗れます。これなら、途中で雨が降ってきても、多少荷物が崩れてきても安心です。

ハイエース・バンの基本料金の参考例
  6時間まで 12時間まで 24時間まで 超過料金
料 金 9,000円 11,500円 13,500円 2,000円/時

※料金は税抜き。乗車定員9名。

アルミバン

一通りの生活家電や家具がそろっているならこちらのタイプがおすすめです。2トントラックにアルミ製の箱がついていて、扉から荷物を出し入れする造りになっています。宅配便でよく使われる形ですね。扉が大きく開くので結構な量を楽に積むことができ、雨の日でも安心です。

荷物量の目安としては、大型冷蔵庫、洗濯機、37インチ薄型テレビ、電子レンジ、デスクトップパソコン、布団3組、エアコン、整理ダンス、大型洋服ダンス、食器棚、ダイニングテーブルに椅子4脚、3人掛けソファ、普通サイズのダンボール20個、と一人暮らしなら十分な大きさではないでしょうか。

荷物が少なめの二人暮らしでも使えるかもしれません。ただ、大きい分レンタル料金も割高になります。

アルミバン2トン標準デッキの基本料金の参考例
  6時間まで 12時間まで 24時間まで 超過料金
料 金 10,000円 13,000円 16,000円 2,000円/時

※料金は税抜き。乗車定員3名。

積み方のコツ

さまざまな大きさや形、重量の荷物をいくつも積むときは、バランスにも気をつけなければいけません。家具がお互いを支えあう形で荷崩れを防ぐようにします。屋根のない平ボディのトラックはなおさら注意が必要です。雨や荷崩れ防止のために、シートとロープできっちりと固定しましょう。レンタカー会社のオプションで500円前後で貸し出しています。

積み方の順番と位置を考えよう

通常の引っ越しでは、ダンボールなどの小さいものからどんどんとトラックに積み込み、大きなたんすや冷蔵庫などは新居が空っぽな状態で真っ先に運びたいため、トラックの荷台の手前になるように最後に積み込みます。しかし、自分で引っ越しを行う場合は、さほど荷物量も多くはないと思うので、必ずしもプロの引っ越しの手順を真似しなくても構いません。

荷崩れを防ぎ、物が壊れたり、道路に物を落として散乱させないように、荷台の両端に大きな家具や大型冷蔵庫などを積み、内側にはダンボールや小物の荷物を積みます。要は、内側の荷物を外側の大きい荷物で囲むようにするわけです。積み重ねる際は、必ず重たいものを下に、軽いものが上になるように考えながら積みましょう。

家財が壊れないように注意

冷蔵庫や洗濯機などの家電は取扱説明書によく目を通し、移動の方法を理解しておきましょう。運ぶ際も、手をかけてよい場所とダメな場所があります。また、冷蔵庫は運ぶときに一時的にななめになるのはよくても、荷台の上で横倒しにしたまま運んでしまうと中の冷却装置の故障の原因になりますので注意しましょう。

食器戸棚の扉のガラスは必ず外して緩衝材などできっちりと保護をして、別にして運んでください。テレビやパソコンの画面もやわらかいクッション性のあるもので分厚く覆って保護をしてから運びましょう。

トラックのブレーキを踏むと、荷物が前後に揺れることになります。精密機器や液晶の画面などを積むときの位置に気をつけ、古毛布やバスタオルやクッションなどやわらかい厚みのある素材のもので、揺れないように固定をしておいてください。

自力引っ越しの注意点

引っ越し業者のプロのスタッフは、きちんと社員教育や研修をしている会社なら、引っ越し作業の基本を身に着けた上で実際の現場に出ています。ノウハウを知らない素人がやろうとしても、プロとそっくり同じようにできないのは仕方がありません。

怪我なく終われば御の字という覚悟も必要です。まず、どのような点に注意すべきか、自力引っ越しを行った人たちの経験談を紹介します。

手間がかかる

引っ越しをしようと思い立ってから、さまざまな準備や手続きに思いのほか時間がかかります。荷造りのためのダンボールや割れ物を保護するためのエアキャップ、通称プチプチを入手するために遠くのホームセンターに行かなければいけないかもしれません。

ダンボールも車があれば簡単ですが、ない場合はこまめに近所のスーパーなどで少しずつ譲ってもらわなければなりません。一足違いで近くの高校の文化祭で使うため全て生徒が回収して行ったということもあります。やむなく通販などで購入すると、送料などもあり結構高くついてしまいます。

また、レンタカーの予約や手伝いの人の手配など、すべて自分で計画的に進めなければなりません。荷造りにしても荷物の積み方にしても、一つ一つ分からないことが出てくるたびに調べて読んで理解するのもかなり手間がかかるものです。

手順などの流れもよく知らなかったために、冷蔵庫や洗濯機の水抜きもしないまま運ぼうとして家財を濡らしてしまうこともあるようです。

ガス会社への開栓手続きのことなども知らず、いつ使えるようになるのだろうと、ずっと何日も待っていたという人もいます。もちろん自分で調べればわかることですが、引っ越し業者で引っ越しを申し込むと「やることリスト」などが書いてある資料を先にもらえますので、それに沿って荷造りの仕方や手続きなど漏れなく進めることができます。

業者と比べると費用がほぼ同じケースも

レンタカーを安く借りられたとしても、ガソリン代や高速道路代はかかってきます。借りに行ったり返却したりする際の交通費がかかる場合もあるでしょう。違う営業所に返す場合は乗り捨て料金がかかることもあります。台車やシートやロープなどを借りれば、その分も加算されます。荷造りのための梱包資材も購入すれば、その分の費用もかかります。

忘れてならないのは、引っ越しの手伝いを頼んだ人への御礼です。身内で賄えるなら一番安上がりです。しかし、遠方に住んでいたら手伝いに来るにも交通費がかかりますし、近くに住んでいたにしても年をとった親だけでは心許ないでしょう。力自慢の友人などにお願いすることになるかと思いますが、その作業時間分のお礼はきちんとすべきです。

作業後の夕飯やお酒などでもてなしたり、時間が取れなければ謝礼を包んだり、といったことが必要です。もし、電車を乗り継いで遠くから来てくれるようなら、交通費を上乗せして渡しましょう。もちろん、作業の休憩時の飲み物や軽食なども必要に応じて用意してください。

そうこうしているうちに、気がつくと結構なお金がかかっていることに気づくのではないでしょうか。実際、友人一人に頼んだつもりが何人も連れてきたとか、重いものを持ち上げたときに腰を痛めたのでしばらく通院しているとか、トラックを塀にぶつけてしまったとか、賃貸の部屋に荷物を運ぶときに傷をつけてしまったとか、あらゆる失敗談が聞かれます。

必要な経費を計算してみる

自力引っ越しをしようとする人は、何にどれぐらいかかるかわからずに、引っ越し業者に頼むよりは安いから、と進める人が多いようですが、一度、かかる金額を書き出して合計を計算してみてください。

安い引っ越し業者に頼んだ場合と、労力やさまざまな気苦労などを考慮して比較すればほんの少しの料金差なら、補償も万全なプロの引っ越し業者に頼んだ方がどれほど楽かと気づくことでしょう。

引っ越しを効率よく安く行うには?

引っ越し業者の見積もりを比較する手っ取り早い方法として、インターネットの一括見積もりサイトを利用して概算を知る方法があります。現住所と引っ越し先の住所、エレベーターの有無、運びたい荷物などにチェックを入れると大体の引っ越し料金がわかります。

家族の引っ越しでなく、荷物が少量の単身の引っ越しなら、電話で家財の量を申告すれば概算の見積もりを出してくれる業者もあります。しかし、一括見積もりサイトを利用した方が、他の多くの引っ越し業者との価格競争になるため、安い見積もり額になるでしょう。

そうして出た見積もり額と自力引っ越しの場合の料金を見比べてみましょう。軽トラの荷物例程度の家財なら、単身パックなどの定額料金制のボックスに入るでしょう。近距離なら、各種の割引サービスの併用で、最安値で12,000円から利用ができます。

また、大きな家財があれば、大型家具だけを運んでくれる宅配便などを利用して、小さいものだけを乗用車などに積んで自力引っ越しできるケースもあります。いくらでもやり方しだいで安くすることができますので、一度相談してみるとよいでしょう。もちろん、見積もりを出してくれた業者全てを断っても正式な契約前なら料金がかかることはありません。

まとめ

自力で引っ越しをする際は、レンタカーに対しては保険がつき補償もしてもらえますが、自分の家財や賃貸の建物に対しての補償は、自分の損害保険に特約をつけてもらうなどして対応することになります。

たいていは一回きりの引っ越しにそこまですることはないと思われますから、十分に気をつけて作業を行う必要があります。お手伝いを頼んだ人の怪我や事故にくれぐれも留意してください。がんばり過ぎて、翌日は体中が筋肉痛になり、ろくに動けなかった人がいるということも最後に付け加えておきます。

※レンタカー料金の参考価格は2017年9月27日現在のものです。