急な引っ越しは最短で何日前?夜間や当日、翌日できる業者は?

引っ越しは人生においてそう何度も頻繁に行うものではなく、やるからには綿密に計画を立てて進めるべきです。しかし、急な転勤や家族の介護など、緊急に引っ越ししなければならない事態に直面することもあります。

できるだけ早く引っ越しをしたい場合、何日前に申し込めば良いのでしょうか。また、事情で夜間や即日引っ越さなければならない場合、対応できる業者は見つかるのでしょうか。そんな急ぎの引っ越しについて説明します。

夜間に引っ越しするケース

引っ越し繁忙期となる3月や4月なら引っ越し作業が一日に何軒もたて込むため、作業完了が深夜に及ぶこともありますが、夜間から引っ越しを始めるケースはほとんどありません。しかし、まったくないわけでもありません。

業者の探し方

夜間から引っ越しを始めると、周囲が暗いため荷物を運ぶ足元の安全を確保しなければならずあちこちライトを照射したり、閑静な住宅街ではちょっとした物音が響いてしまったり、何かとトラブルになりがちです。近隣住民から非常識だとのクレームが引っ越し業者に行ってしまうこともあります。

そのため、作業の安全面が確保できず荷物の破損につながり、入居早々から近隣に迷惑をかけてしまうかもしれないため、本人のためにも他の日中の引っ越しをすすめられることが多いでしょう。旧居と新居の立地と周辺環境や、夜間に引っ越さなければならない理由などを検討して、リスクが大きいと思えば引き受けてくれない業者もあります。

しかし、昨今の訳あり引っ越しの需要に合わせて、夜間の引っ越しを得意とする業者も存在します。インターネットで「夜間 引越し」と検索すると、夜間に引っ越しをしてくれる業者の探し方やら、夜間の引っ越しの注意点などが列挙され、なかなか目的のサイトが見つかりません。

見つかった業者も対応エリア外だったり、「夜間 引越し 地名」を入れて探してもなかなかヒットしなかったり、とムダな時間を費やしてしまいます。効率良く安い業者を探したいなら、一括見積もりサイトを利用して夜間の引っ越し希望であることを伝えると良いでしょう。

夜間の引っ越しが対応可能な業者からのみ、連絡がもらえます。その中から、自分の希望する条件に合うところを選びましょう。どこに頼んでよいかわからない場合、一番早く業者を決定できると思います。

注意点

夜間に引っ越しを行うには、日中の引っ越しとは勝手が違うため、さまざまな対策を事前に講じる必要があります。どんなことに注意をしたら良いのでしょうか。

割増料金がかかる

通常の引っ越しプランとは異なる特殊な作業となるため、引っ越し料金が割高になることは覚悟しましょう。人件費に深夜割増料金が余計にかかったり、深夜までに終わらせるためにスタッフを増員して作業をすることもあるかもしれません。

そもそも、夜間の引っ越しプランそのものが、通常の日中の引っ越しプランよりも割高の設定になっていることも考えられますし、値引きもあまり期待できないと思います。

万障繰り合わせて夜間でなく日中に引っ越しができるのならそちらをおすすめしますが、どうしても夜間しか時間が取れない人は割増料金がかかって高くなるのは承知の上で申し込むしかないでしょう。

作業時の声や音に注意

夜間は周辺が静まり返り、普段はなんとも感じない物音でも大きく聞こえてしまうものです。引っ越しトラックのドアを閉める音さえうるさいと思われるでしょう。荷物を持って急いで歩く足音や振動も、長時間に及ぶとかなり迷惑になってしまいます。

作業を指示する声やささいな談笑の声さえも、これから寝ようとしている人にとっては不満に感じることでしょう。もちろん引っ越し業者でもなるべく音が立たない方法で運ぶよう努力はしてくれますが、それでも家具を設置する際やドアの開け閉めなどでも、上下階や両隣に物音が響いてしまいます。

なるべく事前に、事情でどうしても夜間しか時間が取れなかった旨、挨拶がてらお詫びしておくようにしたいものです。

ライフラインの手続きに注意

水道や電気は事前に届け出ておけば、特に立ち会いなしで自由に使えますが、ガスだけはそういうわけにはいきません。ガスの取り扱いは危険を伴い、万が一の際は重大な事故につながるため、必ずガス会社の担当者の立ち会いのもと、ガス機器の接続や配管などに不具合がないか安全を確認してからでないと使えません。

対応できる時間を考慮して、あまりに夜遅くなるようなら、翌日の朝や日中にしてもらうか、夜間の早い時間帯に来てもらうように手配しましょう。お湯が必要なら電子レンジや電気ポットで沸かすことができますし、シャワーや入浴がしたいなら外の施設の利用も検討しましょう。ほんの少しの間使えない程度ですから、そう急ぐこともないと思います。

翌日急に引っ越しするケース

一般的に引っ越し業者は遅くとも引っ越しの3日前までの申し込みをすすめているはずです。通常の流れでは、引っ越し業者を何社か選び、下見の日時の予約をします。訪問時に引っ越し内容の説明と荷物量を見て見積もり書を作成してもらい、各社を比較検討してそれぞれに値下げ交渉などをして、ようやく一社に絞り込みます。

その後、無料のダンボールなどを持ってきてもらい荷造りに取り掛かる、というのが一般的な流れでしょう。その流れを一日でこなそうと思うのは簡単なことではありません。

しかし、運んでもらうものは身の回りの少しの家財だけ、機会をねらっていて前々から少しずつ荷造りを進めていた、自分で荷造りは間に合わないので荷造りもやってもらいたい、ということなら引っ越し業者のトラックとスタッフに空きがあれば引き受けてもらえることがあります。

業者の探し方

翌日の引っ越しができるかどうかを問い合わせると、たいていの引っ越し業者では問い合わせを受けた方も慌てるでしょう。依頼者の旧住所や新住所、荷物量や立地、エレベーターの有無などを電話で聞き取り、スケジュールを確認してトラックや人の手配、目安の見積もり額の算出、決定権を持つ人の決裁など急いでしなければならないからです。

社長や営業所長、現場に出ているリーダーやスタッフなど方々に電話連絡をして返事をまとめるまでに相当の時間を費やしてしまうかもしれません。同時進行で他の業者にも問い合わせをすることもあるでしょうが、万一両方からOKが出た場合、急がせた分どちらかを断るのも気まずいものです。

両方から断られた場合も、また次々に引き受けてくれそうな業者を探し続けることになります。そんな緊急の引っ越しこそ、一括見積もりサイトを利用すべきです。サイトによっては、希望引っ越し日の入力を当日の2日以降でないと入力できないところもあるようですが、翌日の入力ができるサイトもあります。

そこを使えば、住所や家財の量などの必要事項を一回入力するだけで、翌日の引っ越しに対応できる業者から連絡が来るシステムになっています。この場合、メールのやり取りではまどろっこしいため、数分後に電話がかかってくるでしょう。

要領よく手短に話ができるように、希望するオプション、質問事項などの伝えたいことをメモしてスタンバイしておきましょう。対応ができる業者が他にもあれば、次々に電話がかかってくることもあります。良さそうに思えても一社目で即決せず、「相談してこちらから連絡します」と一旦は電話を切りましょう。

続けざまに連絡があれば、3社目くらいまでは話を聞いて、見積もり額とサービス内容とレスポンスの速さ、対応の良さなどを総合的に検討し、まかせて安心できそうな業者を選ぶと良いでしょう。

注意点

こちらから急ぎの引っ越しを頼んでおいて、いざトラックが到着しても荷造りが完了していないのでは、下手をすると契約違反の違約金が生じてしまうかもしれません。そうならないために、翌日の引っ越しを決意したからには、時間までに準備万端にしておきましょう。

業者の梱包サービスなどを上手に使う

荷物量が多く翌日までに荷造りできる自信がなかったり、何かのアクシデントでもあれば荷造りが終わらない可能性があると思ったときは、引っ越し依頼するときに有料オプションサービスの梱包サービスを依頼するか、フルプランやおまかせパックという、荷造りを引っ越し業者のスタッフが行ってくれるプランを選びましょう。

見られたくないものや自分で荷造りしたいものだけをダンボールに詰め、他は全て荷造りも荷解きもスタッフにやってもらいます。荷解きは自分でできるというなら、ハーフプランや、荷造りのみ、キッチン周りのみなどと限定することもできます。

当日急に引っ越しするケース

できる限り翌日以降の引っ越しをおすすめしたいですが、事情で止む無くどうしても当日のうちに引っ越さなければならない人もいるようです。

そのため、当日の急な依頼に対応できる引っ越し業者もあります。訳あり引っ越しに対応できるように、トラックに業者名を入れていなかったり、夜間に引っ越しと気づかれないように素早く荷物を運び出してくれる特殊なサービスを提供しているところもあります。

業者の探し方

一括見積もりサイトでは、引っ越し希望日に当日の日付の入力ができないところも多いです。。パソコンやスマホからインターネットで「当日 引越し 地名」などで検索してみましょう。地名によってはなかなかヒットしないこともあるかもしれません。

そのような場合、少し範囲を広げて地名を都道府県単位にしたり、関東や関西といった地方にすると、ヒットする確率は上がると思います。また、タウンページで引っ越し業のページを見て、広告に即日対応可能という文字がないか探してみましょう。ホームページに自社のホームページがない小規模の業者が見つかるかもしれません。

とにかく、午前中までに何とか業者を決定したいところです。目に付いた順に片っ端から電話をかけるのではなく、いくつか候補が見つかったらザッとホームページを見て内容や会社概要などを把握しましょう。

その上で、良さそうなところから順に電話をします。「今日の引っ越しは可能ですか」と、要点のみ伝えます。まるっきり余裕がなければすぐに断られるため詳細を説明する時間が節約できますし、見込みがあれば「どこからどこまで」、「荷物量は」などの話に発展します。

訪問見積もりは当然ながらやっている暇はないでしょう。複数社と値下げ交渉して返事を待つ時間もありません。即日引き受ける引っ越し業者がごくわずかであり、依頼者が困っていることを承知の上で、業者も通常よりは高い見積もり額を提示してくるでしょうが、それも仕方ありません。

電話口で大まかな荷物の説明をします。本来なら、できるだけ詳しいサイズを一つずつ伝えたいところですが、他の業者にも問い合わせるようなら、その時間すらもったいないです。それほど当日の引っ越しというのは全てにおいて急がなければなりません。荷造りが簡単にでき時間に余裕があるようなら、他の2〜3社の業者に当たってみましょう。

早く決めてダンボールを持ってきてほしいなら、良さそうだと思った一社に決めても良いですす。また、候補がいくつか見つかったら一番有名なところに決めたり、決断を急いだ方が良いでしょう。電話での対応で信頼できそうか否かは、なんとなく判断できると思います。

注意点

荷造りを依頼する場合は、オプションサービスやフルパックなどで荷造りサービスに対応している業者から選ぶことになります。家庭の主婦が荷造り専門スタッフとして登録していることも多く、当日依頼してすぐに人材が確保できるかはわかりません。そんなときは運搬スタッフが手分けして荷造りすることも考えられます。

とにかく急いで荷物を運び出すことが先決というなら、荷物の破損などのリスクも通常よりは高まるかもしれません。万が一の補償面についてもきちんと確認しておきましょう。少しでも引っ越し料金を安くしたいなら、引っ越しを翌日以降にすることです。そうでなければ、かかる費用は二の次と割り切るしかありません。

業者が見つかるかがポイント

即日の引っ越しは、午前中に業者を決定してすぐに向かってもらわないと当日中に引っ越しを完了できません。移動距離が短い近県や隣接した地方までぐらいが良いところでしょう。引っ越し完了が深夜にまでかかりそうなら、大手の有名引っ越し業者は近隣の迷惑を考え、無理してまで会社の評判を落とすこともないと考え引き受けてくれないことがあります。

しかし、遅い時間にならずに作業が完了できそうなら、当日の引っ越しでも受け付けている大手業者はあります。むしろ、繁忙期でなければ、所有しているトラックが全て出払って、スタッフ全員がフル稼働しているとは考えにくいため、条件さえ合えば引き受けてくれるところが見つかりやすいかもしれません。まずは優先して問い合わせてみると良いでしょう。

まとめ

急な引っ越しでも、引っ越し業者のトラックとスタッフが空いていて、他のスケジュールに支障をきたさなければ引き受けてくれるところはあります。一社に問い合わせてみても返事が遅いようでは、他の業者にも当たってみなければなりません。

その問い合わせも荷造りも何もかも1人ですませようとするのは無理があります。身内や知人の手を借りたり、業者のオプションサービスを活用したりして乗り切りましょう。