ソファやベッド、冷蔵庫1点だけを運ぶ引っ越し業者はいる?

単身赴任や実家から独立のための引っ越しをした後に、引っ越し先の部屋のスペースに余裕があるため、ソファやベッドをあとから送ってほしいと思うこともあります。また、買い替えなどで冷蔵庫を誰かに譲る場合など、大掛かりな引っ越しではなくても、大きめの荷物を一点だけ運んでほしいこともあるでしょう。

そんな大型家具一点だけを運ぶ方法と費用を紹介します。

大型家具や家電のみの引っ越しする場合

引っ越しですべての荷物を運んでもらう場合には何の問題もないのですが、大型家具の一点だけを運んでほしい場合、どこに頼んでよいか悩んでしまう人も多いようです。考えられる方法としては、運んでもらえる運送業者を探して依頼する方法と、自分で人手と車両を準備して運ぶ方法があります。

業者に依頼するケース

通常の場合、大型家具や家電は購入したときに配送部門や運送業者が運んで設置してくれることがほとんどでしょう。引っ越しをして他の家財と一緒に運ぶか、処分するときには粗大ゴミの集積所か玄関前の通りまで運んで回収してもらったりします。リサイクル業者に引き取ってもらうときには、運べなければ出張買取でトラックなどで運んでもらえます。

それ以外で大型の荷物を送りたい場面がないとなかなか考えつかないと思いますが、昨今はフリマアプリやオークションサイトなどでwebで個人間で売買ができることもあり、そのような需要に合わせて、大型の荷物を一点から送れる運送業者のサービスがあります。

業者の探し方

大きな荷物ですから運送料も一般的な宅配便を送るようなわけには行かず、運送業者間で運送料金にかなりの差が出ることが考えられます。なるべく安く運ぶためには、引っ越しの一括見積もりサイトで家財一点から運んでもらえる業者を探すのがおすすめです。

たまたま同じ方面に引っ越しをするトラックの荷台に空きがあれば、混載便として片隅に載せて運んでもらえることがあります。また、引っ越し兼業の運送会社でも宅配便として大型の荷物を扱ってもらえる業者もあります。

一社ずつ問い合わせてすぐに業者が見つかればよいのですが、そうでないと何度も同じことの繰り返しで手間がかかります。一括見積もりサイトなら、住所と運びたい荷物、サイズ、運びたい日などを一度入力するだけで、登録してある多数の業者の中で、その日の運搬ができる業者から連絡がくる仕組みになっています。

荷物ひとつだけなら訪問見積もりの必要もなく、メールや電話で運送料金を聞くことができますので、早いうちに一番安い業者に決めることができます。

費用相場

大型荷物は、間口や移動ルートにより、二人がかりで持ち上げて玄関から出せない場合もあります。その際は、ベランダに通じる掃き出し窓から人力での吊り作業や、クレーン車を利用して窓からの作業をしなければいけません。高層階になればなるほど、クレーンは大型の重機が必要になります。また、重量物は階段作業で割増料金がかかる場合もあります。

一般的に人力で移動できるケースの費用の一例を紹介します。

東京から大阪まで、大型冷蔵庫やシングルベッドを運んだ場合は税込み20,000円程度です。
北海道から沖縄県までの最長距離の運送では、税込み60,000円程度になります。

自分で行うケース

大型家具や家電とはいえ、一つだけなら二人がかりで運べば業者に頼まずにもっと安く運べるのではと思う人もいるでしょう。レンタカーを借りて運ぶケースを考えてみましょう。

レンタカーや人の手配

冷蔵庫は横に寝かせて運ぶと冷却装置が不具合を起こし壊れてしまうため、メーカーの取扱説明書などを見ると、必ず立てて運ぶことになっています。そのため、高さの十分ある幌付きのトラックや平ボディの軽トラックに積んで運ぶことになります。それ以上のアルミバンなどになると料金が割高になってしまいます。

シングルベッドは組み立て式のものは分解して運ぶことになります。軽トラの場合、ベッドマットやベッドフレームの長い辺がどうしてもはみ出ることになりますが、荷台の後方からわずかにはみ出す程度なら違反にはなりません。

しかし、しっかりとロープで固定してテールランプを隠さないようにする必要があります。ベッドマットは濡らしたくないので、必ずシートなどでしっかりと雨対策をしておきましょう。

その点、難しいのがソファの運搬です。3人がけで背もたれが高く、座面の広い一体型のものは苦戦することになるでしょう。革張りのソファならなるべくキズを付けたくないため、通路やドアを通すだけでも苦労します。斜めにしても小型のエレベーターには載せられないこともあります。

プロの引っ越し業者なら、一見不可能に思えた大きな家具でもうまく角度を変えて押したり引いたりしながら運ぶこともできますが、コツを知らない素人ではなかなか厳しいでしょう。そこまでして自力で運ぶ必要があるのかよく検討したほうが良いです。

大型の荷物を運ぶには少なくとも二人の手が必要です。通路や階段が狭ければ、角がぶつからないかを確認してくれる人がもう一人いれば安心です。

荷物を運んで元の場所に戻ってくるなら、往復の移動時間と、運ぶ時間を足した分のレンタル時間を見越して借りなければなりません。戻る必要がなければ、現地で乗り捨て料金がかかります。

分解が必要なケースも

ベッドの移動はそのままではドアから出すにも通路や階段を通るのも無理がありますし、載せる車種も限定されてレンタル料金が高くなってしまいます。組み立て式のものはできるだけ分解してコンパクトにまとめた方が運搬が楽ですし費用も安くすみます。

レンタカーの費用相場

東京から大阪まで運ぶ場合は、最短でも12時間のレンタルが必要でしょう。一番安い軽トラでも、6,000円前後かかります。それに加えて、往復なら片道500km弱として、ETCの安い時間帯を選んだにしても、高速道路代とガソリン代合わせて15,000円から20,000円程度になります。

乗り捨て可能のワンウェイシステムを利用し、片道だけの移動にしてトラックを6時間借りたとしても、乗り捨て料金だけで既に20,000円以上はかかってしまい、とてもじゃないですが、自分たちでそこまでして運ぶメリットは感じられません。自力で運ぶ場合は、高速道路も必要なく同じ営業所に返せる範囲の近距離のみということになるでしょう。

まとめ

大型家具や大型家電をひとつだけ運びたい場合は、そのものの購入時の金額や使用年数などを考えて高い輸送料金を払ってまで運ぶ必要があるか考えてみましょう。どうしても運びたい場合は、一括見積もりサイトなどを利用し、少しでも安く運んでくれる業者を探してから依頼するのがおすすめです。

近距離ならレンタカーを借りて運ぶ方法もありますが、荷物を傷つけるだけでなく建物を傷つけてしまうと余計な修理代もかかってしまい、かえって高く付いてしまうことになりかねません。その点、業者に頼めば万一の事故があっても補償がしっかりしているので安心できます。

※文中の料金例は2017年10月4日現在のものです。