冷蔵庫や洗濯機、電子レンジやトースターなど家電の荷造り

家の中には、リビングのほか、キッチンや洗面所の水回りにもたくさんの家電があります。引っ越し業者から荷造り用のダンボールをもらっても、これらの家電をどう梱包してよいか分からず悩んでしまう人もいるでしょう。そこで、主な家電の荷造り方法について説明します。

冷蔵庫や洗濯機の荷造り

一人暮らし用の冷蔵庫や洗濯機は、家族用よりも容量の小さいものがほとんどですが、それでも普通のダンボールには入りそうにはありません。このように大きいサイズのダンボールにも入らないものは基本的には梱包する必要はなく、当日までに運ぶ準備をしてあれば、引っ越し業者に荷造りを任せて問題ありません。

冷蔵庫の霜取り作業を忘れずに

最近の冷蔵庫は自動霜取り装置が付いているため、手動での霜取りは不要になっています。しかし、冷蔵庫のドアや引き出しに若干すき間が空いていたり、パッキンが変形していると、最新式の冷蔵庫でも霜がつくことがあります。

庫内の奥の冷気吹き出し口に霜がついていることもあるため、引っ越し前には霜が解けて他の荷物を濡らすことがないよう、前日までに冷蔵庫内を空にして水抜き作業を行いましょう。

氷を取り出す

自動製氷機の氷は取り出し、製氷機能を停止し、給水タンクの水を捨てます。自動製氷機能がないものは氷と製氷皿を取り出し、中身を空にします。

霜取りをする

電源プラグを抜きます。霜が完全に溶け終わるのに15時間程度要する機種もあります。引っ越し業者から前日に電源を切るように指示があると思いますが、作業開始時間から逆算して余裕をもって対応してください。霜の溶け残りがあると輸送中に水が流れ出し、他の荷物を濡らしてしまうことがあります。

排水する

冷蔵庫の下部に水受け皿があるものは、通常は自然に蒸発するものですが、引っ越し前には皿を手前に引き出し、溜まっている水を捨ててください。冷蔵庫を傾けて排水するタイプのものは、安全に気をつけて取扱説明書に書いてある方法で排水します。

洗濯機の水抜き作業を忘れずに

一般的な全自動洗濯機について、引っ越し前の水抜き方法を説明します。メーカーや機種によりスイッチの名称などが異なることがありますので、必ず手元に取扱説明書を用意してひと通り水抜き方法について理解してから始めると良いでしょう。ドラム式洗濯乾燥機はメーカーにより構造が異なるため、特に注意してください。

給水ホースの水を抜く

水道の蛇口を閉めます。洗濯機の電源を入れ、洗濯コースのいずれかを選びスタートボタンを押します。機種により、衣類の重さを量ったり、洗濯物の偏りを均すように撹拌したりしたあとに、給水が行われます。

給水ホースに残っている水が全て排出されたと思ったらストップボタンを押します。10秒程度で終わるものから、2分程度かかるものまでさまざまです。給水ホースを蛇口から外します。少量の水がこぼれることがありますので、タオルなどを用意しておきましょう。ホースを軽く振って残水の水切りをします。

内部の水を排出する

洗剤入れや柔軟剤ケースを外し、中身を捨てておきます。糸くずフィルターも外し、ゴミを捨て水分を拭き取っておきましょう。

脱水ボタンを押し、一分ほど運転して、洗濯槽から完全に水を抜いてください。洗濯機を揺すったときに水の音がするからまだ水が出きっていないのではと心配する人がいます。しかし、これは液体バランサーといって、洗濯機内部に元々入っているもので心配しないでください。

排水ホースを外す

バケツやぞうきんを用意して、排水ホースを排水口に固定してある器具からそっと外します。排水口の形状によりさまざまなタイプがありますが、エルボというL字型の固定器具は住宅に元々付いていたものです。間違えて持ってきてしまわないように注意しましょう。

すぐに運べるようにまとめておく

アース線や電源プラグをコンセントから外し、コードをまとめておきます。洗濯機のフタの裏や洗濯槽の水分をタオルで拭き取っておきましょう。ホースはそのままでも良いですし、養生テープなどで洗濯機本体に留めておいても良いです。

洗濯槽内には、内ブタや付属品などを入れておいても良いでしょう。念のため取扱説明書をビニール袋に入れて洗濯機本体に養生テープで留めておくと、設置の際にもすぐに引っ越し業者や電気工事業者が手に取って確認することができるので便利です。

電子レンジやトースターの荷造り

電子レンジは多くの家庭で使われていることでしょう。オーブンレンジやスチームオーブンタイプのものなど、高価なものもあり重量も重いものが多いです。それに比べるとトースターは比較的軽くコンパクトなものが多いです。これらの荷造りについて説明します。

梱包する必要性は?

電子レンジは、結構な重さがあり、移動したり大きなダンボールに入れようとするときに衝撃を与えてしまうと故障することがあるため、引っ越し業者にまかせて良いことが多いです。ただし、電子レンジよりは小型の軽いトースターは、ダンボールに入る大きさのものが多く、構造も簡単にできているので自分で荷造りした方が良いでしょう。

念のため引っ越し業者に家電の荷造りについて、例を挙げながら確認しておくと良いと思います。その時点でどう荷造りしてよいかわからないものは質問しておきましょう。複雑な工程のものは、こちらでやりますよと言ってもらえることもあります。

中の取り外しできるものは、プチプチなどの気泡緩衝材のシートで包んでおきましょう。トースターは、ガラスの両面にプチプチを貼り付けて扉を養生テープで固定して動かないようにしてから全体をプチプチや新聞紙などで包みます。

トースターよりも一回り大きいサイズのダンボールに入れたら、中で動かないようにしっかりと固定します。その際に布巾やタオル、スポンジ類、キッチンペーパーやビニール袋などのキッチン周りの柔らかい素材のストック品で埋めても固定されていれば問題ありませんし、一石二鳥です。

その他の家電の荷造り

他にも家の中を見渡すとたくさんの電化製品があります。基本的には、ダンボールに入るものは極力荷造りし、入らないものはそのままで良いです。どうすべきか分からないことがあれば、必ず事前に相談しておきましょう。見積もり担当者と当日の作業スタッフとの間で話の行違いがあればトラブルの原因となってしまいます。

本命と思われる業者には、訪問見積もり時に相談してきちんと見積もり書の備考欄にでも付記してもらうと良いでしょう。他に荷造りを迷いがちな家電について紹介します。

照明器具

天井に取り付けるシーリングライトや傘の大きなペンダント式蛍光灯など、さまざまな形状のものがあります。蛍光灯を外して別に梱包すべきか、ダンボールにはどう包んで入れるべきなのか、なかなか難しいと思われます。

購入時の箱があれば良いのですが、いったん取り付ければそうそう外さないので、箱をそのまま取っている人は少数でしょう。プラスチックのカバーなどは、衝撃によりヒビがはいることがあります。業者に確認して、荷造りをどうしたら良いか必ず指示を聞いておいてください。

へたに梱包して運んでいる途中に破損しても、荷主が完璧に梱包したことが証明されないと補償がきかないこともあるからです。できれば、業者のスタッフに任せられれば安心です。特にシャンデリアは設置に専門の電気工事業者が必要になることがあります。取り外しから任せた方が良い場合もあるため、必ず事前に相談しておきましょう。

炊飯器

電子炊飯ジャーは安いものから高いものまで、その性能はピンキリです。中の釜は固くて重い材質でできているため、頑丈なものだと思われる人も多いようです。しかし、炭釜や土鍋などは、少し高いところから落としただけで簡単にヒビが入ったり割れてしまったりする事例が相次いでいます。

キズがついてうまく炊けなくなってしまうこともあります。必ず、内釜は炊飯器にセットしたままではなく、緩衝材で十分に保護をして「ワレモノ」として固定してください。

まとめ

ダンボールに入らない大物の家電は、何かで巻いたりする必要はありません。引っ越し業者が当日に専用の資材で梱包した上で運んでくれます。それ以外の家電が入っているダンボールは「炊飯器」、「トースター」、「ポット」など必ず品名を目立つように書いてください。

もし、荷造りに不安があるなら、フタは開けたままで、「この梱包で大丈夫ですか」と運ぶ前に中を見てもらうと安心です。