神棚や仏壇を引っ越し先へ持って行く場合の料金・注意点

神棚や仏壇は、引っ越しの際に他の家具と同列に扱っていいものかどうか、悩む人も多くいるでしょう。たしかに「そこには神様や仏様が宿る」という考えなら、無造作に扱って何か悪いことでも起こったら…と慎重になってしまいますよね。引っ越しをする際はどのように扱うべきか、その注意点や料金について説明します。

神棚や仏壇の引っ越しは別料金が必要?

実際の神棚や仏壇の大きさや造り、高額なものかどうか、という点が決め手になります。装飾や細工が精巧な見るからに高級そうなものは、別料金がかかったり、引っ越し業者で引き受けてくれなかったりする場合もあります。

まずは、訪問見積もりに来てもらった時点で、その神棚や仏壇を運んでもらった際の見積もり額はいくらになるか、運ばない場合は引っ越し料金がどう変わるのか、よく確認しておきましょう。それによっては引っ越し業者ではなく、神仏具の製造専門店などに問い合わせ、別送した方が良いかもしれません。

引っ越し業者なら家具同様に運んでもらえる

部屋のドアから余裕で出せる程度の大きさのものなら、他の家財と同様、標準の引っ越しプランの料金内で運んでもらえることが多いでしょう。やや大きめで、通路や階段幅に余裕があまりない場合は、別料金がかかってしまうこともあるかもしれません。

また、神棚や仏壇を普通の家具とはみなさず、貴重品として扱う引っ越し業者もあります。その場合、高級品や美術品、貴重品などとみなし、別料金で10,000円〜20,000円加算される可能性もあります。なかには運んでくれない業者もあるかもしれないので、見積もり時に必ず確認することを忘れないようにしてください。

専門の輸送業者なら割高になるが、扱い方は信頼できる

仏具専門の輸送業者もあります。仏壇の製造や修理、処分など、仏具に関する様々なことを請け負う専門店です。仏壇の扱いに手馴れているので、運んでもらう際も安心です。仏壇に飾ってある小物類も、責任もって梱包・配置してくれます。

すぐに引っ越し先に搬入せずに、いったん引き取ってもらって、クリーニングや修繕してから新居に運んでもらうこともできます。ただし、仏具専門の輸送業者に依頼する場合は、当然ながら別料金が発生してしまいます。

仏壇を購入してからかなりの年数が経つのに、一度も修理や掃除をしたことがない、という人なら、引っ越しを機にメンテナンスしてもらうのも良いかもしれません。輸送だけをお願いした場合、クリーニングもしてもらった場合など、それぞれかかる料金をきちんと聞いておきましょう。

神棚の引っ越しにも守るべき作法がある

商売をする人なら、神棚を祀ってお神酒や米、塩、水、榊などを供えているはずです。また、古来より天災などが起こらないよう神様に祈ったり、地域の祭りで神様を信仰したりしているでしょう。特に信仰心のない人でも、新年には神社に初詣に行きますよね。

このように日本人は、神様を心の拠り所にすることが多いです。そんな神様が宿る神棚は、どのように引っ越しをすれば良いのでしょうか?

移動するのも神様が一番先!

神棚の引っ越しには、基本の作法があります。荷物を搬入する時には、神棚を一番先に運び入れるようにします。他の家財を入れるよりも先に、まずは設置してしまいましょう。

事前に準備しなければいけないものは

神棚のお神札を取り出し、白い和紙やきれいな布に丁寧に包んでから、再度中に収めます。その際には、お神札に自分の息がかからないよう、気をつけなければいけません。

分からないことは神社に聞いてみよう

何か商売をしている人なら、近くの神社の神職さんにお払いをしてもらうこともあるでしょう。一般家庭では、特に行わなくても問題はないようです。もし気になる点があれば、近くの大きめな神社に問い合わせておくと安心です。

知らなかった!仏壇を運ぶ際の注意点

仏壇の引っ越しにも、神棚と同じように基本の作法があります。根底には仏教の精神や教えがあり、そこから色々な宗派に派生して、解釈や教えが様々に変化しています。気になるようなら、自分の宗派の総本山やお寺に訪ねてみると良いでしょう。

抜魂、入魂って必要なの?

仏壇を購入して設置した際に入魂をしてもらっているなら、そのままでは運べません。菩提寺の僧侶に来てもらい、いったん抜魂供養をしてもらい、引っ越し業者に他の家具と一緒に運んでもらいます。

仏壇の場合も、旧居から出る時は一番最後に、新居に移った時は何よりも先に一番に運び入れるのが作法とされています。そして、入魂式をしてもらいます。引っ越して菩提寺から遠くなった時は、その宗派の最寄りのお寺を紹介してもらいましょう。付き合いのあったお寺に、お布施の相場などを聞いておくと良いでしょう。

業者によっては、条件により引き受けないことも?

引っ越し業者によっては、抜魂を行っていない仏壇は運んでくれないことがあります。事前にきちんと確かめておくことが必要です。仏壇だけが取り残され、あわてて他の専門業者に輸送をお願いするなんてことがないようにしましょう。

まずは、引っ越し業者と神仏具の専門業者に、輸送をお願いした場合の手順やマナー、注意点などを聞いてみて、知識があり納得のいく回答がもらえる業者に頼むのが最善でしょう。大きく高価な神棚や仏壇がある人は、神仏具の扱いに慣れている業者なら、礼儀作法や様々な宗派の事情に詳しく、一番安心できるのではないでしょうか。