ベッドやタンスなど大型家具と衣類や布団、靴などの荷造り

小物はダンボールに詰めることはできますが、ベッドやタンスなどの大きな家具の荷造りはどうすればいいのか、引っ越し初心者には分かりませんよね。古毛布や新聞紙やダンボールなどをつなぎ合わせて包むべきなのか、そもそもドアから出せるのかも不安でしょう。そんな人たちのために、大型家具や布団、衣類や靴の荷造りについて説明します。

大型家具の荷造り

昨今はクローゼットが作り付けの住宅が多く、大きなタンスを購入する機会は減っているかもしれませんが、昔は婚礼タンス3点セットが大型家具の代表格でした。質の良い木材で作られた高級家具で、大きく重たく価格も高いため、引っ越しの際にはスタッフが相当気を使って運んでいました。

他にもベッドやスライド式本棚、3人掛けソファなど大きなサイズの家具があります。これらの引っ越しの際にはどう荷造りしたら良いのでしょうか。

基本は引っ越し業者におまかせ

引っ越し業者では、無料の大中小サイズのダンボールやガムテープ、包装紙やプチプチなどの気泡緩衝材をサービスしているところが多いです。引っ越しの荷造りは、そのダンボールに収まるサイズのものは自分で箱詰めします。

しかし、ダンボールに入らない大きな家電や家具そのものを、依頼者が工夫して荷造りする必要はありません。もちろん中に入っている物や衣類や本などは自分でダンボールに詰めることになりますが、保護をしたりカバーを掛けたりする必要はなく、家具や家電はむき出しのままでOKです。

引っ越し当日に業者が、クッション性のあるしっかりとしたカバーやシートなどの専用資材でキズが付かないように保護して運んでくれます。

組立家具の分解と組立は自分でやる必要があるの?

今人気のリーズナブルな家具は組み立て式が多く、引き出し付きや寝台が跳ね上がるタイプのベッドも組み立て式になっているものがほとんどです。子どもの二段ベッドや省スペースのロフトタイプのベッドもあるでしょう。

このような家具がたくさんあると、自分で分解して引っ越し先で組み立てるのも大変な作業ですし、組み立てるのに十分なスペースが必要になります。引っ越し業者により対応は異なりますが、単純な形のベッドなら分解から組立まで引っ越しのプラン内で行ってくれることが多いです。

ただし、複雑な形状をしていて工数がかかり、作業時間が長くかかりそうな家具に対しては、別途分解組立作業料がプラスになるかもしれません。見積もり時に説明があるとは思いますが、何も言われなければ念のため確認しておくと良いでしょう。

分解や組み立てが複雑に思える家具は、説明書と必要な工具や部品があればひとまとめにして分かりやすい場所に置いておきましょう。

自力で引っ越しする場合は?

引っ越し業者に頼まずにレンタカーなどを借りて自力引っ越しを計画している人は、大型家具や家電の扱いは慎重に行う必要があります。もしぶつけたり歪んだりして扉や引き出しがうまく閉まらなくなっても、すべて自分で直したり修理してもらったりすることになり、購入価格の高い家具や家電はリスクが大きいです。

1人では運べませんので誰かに手伝ってもらうことになりますが、階段作業やトラックの荷台に持ち上げるにも、慣れていないと腰を痛めてしまうこともあります。そんな危険を冒すのであれば、むしろ大型家具だけでも引っ越し業者の輸送サービスを利用してみてはどうでしょうか。

家具一点から引き取りに来てもらえて、運搬中にもし万が一の事故や破損があったときも業者が加入する荷物保険で補償してもらえるため安心です。大型家具を運んでもらうことにより、トラックが必要なくなればワゴンタイプなどで運べるため荷崩れの心配もなく、急な雨でも心配無用です。

衣類、布団、靴の荷造り

割れたり壊れたりする心配のいらない衣類や靴の荷造りは引っ越しに不慣れな人でも簡単です。布団は、引っ越し業者で布団カバーを貸し出してもらえることがほとんどです。引っ越し業者のスタッフが当日に持ってきて手早く入れてくれることもありますが、自分でもコツを知っていれば簡単にできます。

衣類の荷造り

衣類は身にまとうものなので軽いものが多く、何枚かまとめてダンボールに詰めても重くならないため、大きめのダンボールにゆったりと詰めれば、そうシワになることもありません。タンスの一段ごとに箱詰めしても良いし、ダンボールの底にジーンズなどやや重めの衣類を入れてから、その上にシワにしたくない軽い衣類をふんわりと入れても良いです。

たたんだものを積み重ねて入れたり、丸めて立てて入れたりしても良いですが、均等に入れないと運んでいる間にズレてシワの原因になることがあるため、なるべく均等にすき間のできないように詰めましょう。

プラスチック製の衣装ケースに入れてある衣類は、ダンボールに詰め替えずにそのままで良いことがあります。全体の荷物量や衣装ケースの材質や強度により対応が異なるかもしれませんので、業者に確認してみましょう。

クローゼットや洋服ダンスのハンガーに掛けて吊っている衣類は、引っ越し専用資材のハンガーボックスを貸し出してくれる業者なら引っ越し当日まで荷造りせずそのままで大丈夫です。引っ越し当日に業者が持ってきてくれるため、その場ですぐにハンガーごと移し替えられ、シワにもならず便利です。

見積もり時に何個貸し出してくれるのか伝えてくれるはずです。自分で移し替えたいなら何日か前に持ってきてくれるよう手配してください。

布団の荷造り

自力引っ越しの場合は大きめのシーツで代用することもできますが、100円ショップなどでも薄手の布団カバーを販売しています。また、雨が心配なら大判のレジャーシートで風呂敷のように包んでガムテープで抑えれば十分です。

どちらも運ぶときには布団袋の上から太めのヒモやロープなどで、両手で持ちやすいように十字掛けにもう一本足して「キの字」に結んでおきましょう。これなら薄い不織布などでも破れないため安心です。

引っ越し業者であらかじめ布団袋を渡されることもあります。クラフト紙、ビニールコーティング、綿帆布、不織布など素材はさまざまです。柔らかい素材の布団袋なら、掛け布団を下に折りたたんで枕や毛布やタオルケットなどを間に挟み、一番上に敷布団やマットレスなどを重ねて上から布団袋を逆さまにしてかぶせてしまいます。

四隅の角の位置を合わせて、まとめてひっくり返せば簡単です。上はファスナーやひもでクロス掛けしたり、ガムテープで留めたりできるようになっています。

クラフト紙やビニールコーティングなどの樹脂製の素材だと、上から逆さまにかぶせると高さがあるため袋の底と布団との間にすき間が多くてひっくり返せないことがあります。そのようなしっかりとした自立タイプの布団袋なら、そのまま広げて上向きにして、敷布団からどんどんと畳んで入れてしまった方が簡単です。

最後に、布団を押して空間が出ないように袋の端をキャラメル包みのように折りたたんでガムテープでしっかりと留めます。自分で運ぶなら、太めのヒモかロープで「キの字」に結束しておくと持ちやすいです。引っ越し業者が運んでくれる場合は、使い慣れた自前の道具がありますのでスタッフに任せたほうが良いでしょう。

靴の荷造り

靴底が汚れていたり金具で素材の柔らかい靴を傷つけたりしないですむように、一足ずつ包むと傷めずにすみます。普段履きのスニーカーやサンダルなら気にせずに靴の底を前後互い違いに合わせダンボールに横向きに詰めていくだけでも大丈夫です。

まずは、大きめのダンボールの底面に新聞紙を敷きます。その上に、一足ずつすき間があかないように並べていきます。一段並べ終わったら、新聞紙を広げてかぶせて、また同じように並べていきます。一番上に柔らかい靴や、型崩れを防ぎたい靴、ブーツなどを載せるようにします。この方法だとたくさんの靴を収納できます。

購入時の箱があるならその靴箱に入れてから、ダンボールに並べて入れましょう。箱がないものでも大切にしたい靴なら、型くずれしないように中に新聞紙などを丸めて詰め物をして形を整えてから包むと良いでしょう。靴の革の色落ちが心配なら、他の淡い色の靴に色移りしないように新聞紙などで包んでください。

詰め終わってすき間があれば新聞紙を丸めたものや緩衝材を入れたりして、持ち上げて揺すったときに中で靴が動かないように固定します。

業者により、引っ越し専用資材のシューズケースを貸し出してくれるところもあります。一足ずつ収めることができるため、簡単で型崩れの心配もありませんが、家族が多かったり所有する靴が多い場合は荷物量が増えることになりますし、貸し出せる個数が決められていることもあります。事前に確かめておくと良いでしょう。

まとめ

大型家具や家電の梱包は、基本的には引っ越し業者に任せましょう。気を利かせて古毛布などで包んでおいても、運搬の際にずれたり持ちにくかったりして破損事故につながってしまいます。

大型の組立家具については、引っ越し業者により分解と組み立てが、無料・有料など対応が異なることが考えられますので、必ず事前に確認した上で自分でできるかどうかを考えてから見積もりを出してもらいましょう。衣類、布団、靴の荷造りは、シーズンオフで引っ越し当日まで使わないものから始めるのが基本です。